教育改革にあたっては、まずは、今の日本の実力を直視すべき。
過去の成功体験に囚われない、時代の変化に合わせた新しい教育「未来の教室」の構築が必要。
「未来の教室」ビジョンにおいて、①学びのSTEAM化、②学びの自律化・個別最適化、③新しい学習基盤づくりを3つの柱に、9つの課題とアクションを提言。
教科学習や総合的な学習/探究の時間、特別活動も含めたカリキュラム・マネジメントを通じ、一人ひとりのワクワクする感覚を呼び覚まし、文理を問わず教科知識や専門知識を習得する(=「知る」)ことと、探究・プロジェクト型学習(PBL)の中で知識に横串を刺し、創造的・論理的に思考し、未知の課題やその解決策を見出す(=「創る」)こととが循環する学びを実現すること。
この考えをさらに議論した「STEAM検討ワーキンググループ中間報告」を発表。これに基づき、令和2年度内に「STEAMライブラリー」のプロトタイプを構築予定。
-良質なSTEAM学習コンテンツを開発し、それを「いつでもどこでも」学べる形式にする。
※:”様々な社会課題や未来社会のテーマに触れ、文理分断を越えて必要な教科知識・専門知識を吸収しながら(「知る」)、課題発見・解決のために試行錯誤する(「創る」)ための学習コンテンツ”
-学習内容に加えて、実際の授業に落とし込む際に必要なサポートを用意する。
-開発したSTEAM学習コンテンツや、現場で授業を実施していくためのサポートコンテンツを掲載できるライブラリーを構築
(右記のPBS(米国)の取り組みをイメージ)
-単純なライブラリー機能に加えて、互いに公表・活用するための協働・共有が起きる仕掛けも検討し、「学び、アイディア、人、機会がプールされたマッチングの場」に
(イメージはYouTube×Wikipedia)
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子ども達が本物の課題に触れて、本質的なキャリア観を醸成する場に
実証事業「EdTech活用学習プログラム『自立学習RED(eフォレスタ)』の公教育への導入実証」に基づき作成。
子どもの脳は、4歳から5歳の幼児期に最も成長するという調査結果もあり、幼児期から学齢期にかけて育成すべき基礎的なライフスキルや思考法は何か、育成手法を個別に最適に選択する方法について検討を進め、多様なプログラムの開発と普及を進めるべき
右図)下図)遂行能力(※)に関する技能は、幼児期に大きく成長
※脳にある情報を保持・操作し、関心を集中させ、気をそらすものを取り除き、心のギアを切り替えることを可能にする技能。
教室にいる子供たちが、「同じことを」「同じペースで」「受け身で」学ぶ授業
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-学校や民間教育の現場における日々の学習や課外活動の成果を「学習ログ」として蓄積
-学習者と保護者は、それをもとに、教師・専門家等から支援を受けながら「個別学習計画」を策定し、随時更新しながら、学び続ける
※発達障害の子ども達、特異な才能を有する子ども達(ギフテッド)、両方を併せ持つ意味で二重に例外的な2E(Twice Exceptional)の子ども達に適した学習環境の整備が重要
※特に幼児期から悉皆的に、一人ひとりの認知特性等の個性についても、丁寧に把握し続けることが重要
-学習ログの効果を最大化するにあたっては、右の観点を踏まえながら、関係省庁が連携してグランドデザインの策定を進めるべき
-公的に質が保証された多様な学び方を選ぶことが認められる仕組みとして、子ども達一人ひとりに「個別学習計画」を策定し、それに対する教育委員会等による公的な認定を与える仕組みが導入されるべき
-学校教育とフリースクール等の民間教育との組合せ等も含め、質の担保された多様な学習機会を保障することによって「不登校」という概念そのものを解消し、問題の根本的解決に道を開くべき
調達構造改革(パソコン低廉調達・5G通信・クラウド活用の実現、共同調達、BYOD(家計負担での持参)、寄付の推進)
さいごに
現行法令の合理的な解釈の範囲内で、実現可能なことは明日からでも始める
学習ログ活用に向けた環境整備は、時間を要する取組みであるがゆえ、早急に取組を開始する
-データの相互運用性担保
-データ蓄積の開始
など