地域のスポーツ資源の力をフル活用し、市内の子どもたちが、各自の興味・関心・能力に合わせて安全・安心にやりたいスポーツを持続的にできる環境の実現
部活動の教育的意義
部活動は、放課後にスポーツや文化芸術活動をする場にとどまらず、「教科教育以外の学習の場」、「家庭、教室以外の居場所」、「人間関係づくりの場」、「思い出づくりの場」といった機能を一手に引き受けていることが確認できた。
この点は、生徒、保護者、教員のいずれも同様の認識を有しており、一種の「文化」になっているものと考えられる。
仮に、部活動を地域に移行または外部化するのであれば、これらの機能を代替できる新たな仕組みとセットで考える必要があるのではないか。(部活動のない諸外国との比較など)
部活動ニーズの多様化
部活動への外部指導者の導入、レベル別部活動の導入、(レイヤーモデルのレイヤー①に相当する)レクリエーション活動との両立、複数部活動の実施などの部活動改革案に対しては、生徒、保護者、教員のいずれも肯定的な評価をしている。
特に、指導者については、先生と外部指導者どちらかがいいということではなく、先生+α(外部指導者)が望ましいと捉えられた可能性が高い。
このため、部活動の実施形態に「多様性」を持たせることが生徒、保護者、教員のニーズを満たすことになる。
その実現に向け、民間事業者の参入余地があるのではないか。
当初想定していた「さいたま市版レイヤ―モデル」については、ニーズに合致していないことが分かったので、モデルの修正が必要。
学校部活動終了後に追加の活動を希望する生徒や保護者が少ないため。
大会のあり方
生徒、保護者、教員のいずれにとっても、「部活動」と「大会」は密接不可分という意識が強いことが確認できた。
部活動の在り様は、大会の有無や実施形態、進路選択における大会の位置づけによって規定される可能性が高い。
大会は、「全国>地方>都道府県>市」や「プロ・実業団>大学>高校>中学」という“縦の流れ”を抜きにした議論はできないので、市域レベルでの改革の取組にはおのずと限界がある。
大会運営が、現場の教員に委ねられているが、これが教員の大きな負担になっているので、運営の外部化については、検討の余地がある。
収益の確保
今より質の高い、専門的な指導者から指導が受けられるのであれば、保護者は一定の受益者負担は許容できると思っている。
一方で、プロスポーツチームが想定している指導者派遣の費用感とは、乖離が生じている。
費用縮減・収入増加の議論のほか、その他のリソースを有効活用する可能性の検討も求められる。
収益の確保(企業からの収入)
企業からの協賛金及び学校体育施設の利活用に係る収入の獲得可能性については具体的に議論できなかった。
しかし、収入の可能性として企業版ふるさと納税・クラウドファンディングの活用などが考えられる。
寄付を受けたい自治体と寄付したい企業を結び付ける成功報酬制のマッチングサービス(ラボたま)のような企業と自治体を結ぶプラットフォームの利用が望ましい。
企業から寄付を受ける目的として、企業による貧困家庭への部活動支援などSDGsに訴えかけるなどが考えられる。
学校体育施設の貸出による収入獲得については、まずは、現状の「学校体育施設開放事業」の実態を把握した上で、収入獲得可能性について議論をする必要がある。
収益の確保(自治体等からの支援)
全国平均の子どもの貧困率は13.5%、さいたま市でも可処分所得200万円未満が5.1%あり、アンケート結果でも指導料1,000円以下の回答が約10%あったため、低所得世帯への就学支援が必要となる。
一方で、国レベルでもスポーツベッティングやtotoからの助成などの検討が求められる。
既存で取り組みが進んでいる部活動指導員制度や外部指導者導入のメリットに加え、成果指標策定とモニタリングを伴うPFS導入によって、より効率的な部活動の管理運営、教育としてのサービスの質の維持・向上が期待される。
また成果指標のモニタリングにより事業効果の測定・振り返りができる。
指導者の質・量の確保
総合型地域スポーツクラブやプロスポーツチームにおいては、部活動への指導者派遣を担うほどの人員確保や費用面での課題があるため、現在のところ、指導者の確保は容易ではない。
仮に、部活動が地域移行化した場合においても、当面は、教員の兼職兼業に頼らざるを得ない状況である。
指導者の量を増やす方法として、教員だけではなく、公務員・会社員なども指導に参画しやすい働き方など制度を議論していかなければならない。
指導者の質の確保としては、統括団体による一定の研修や、指導力を担保する指標をどうするかなど議論が必要となってくる。
InBody470 1台
実証事例名 | プロスポーツチーム等との連携による「新しい放課後スポーツ」に関する実証事業 |
---|---|
受託事業者名 | 一般社団法人さいたまスポーツコミッション |
実証パートナー名 | さいたま市、さいたま市教育委員会、日本政策投資銀行、日本経済研究所、さいたまブロンコス、レッズランド、United Sports Foundation |
実証年度 | |
事業カテゴリー種別 | |
実証地域 | 埼玉県さいたま市 |
実証校 | さいたま市立大成中学校 |
対象 | |
対象学年 | 男女バスケットボール部 |
ロボットシステム全体の設計を統括する「ロボットシステムエンジニア」のスキル標準を策定するとともに、ロボットシステムエンジニアの早期育成...
「自立学習RED」の基幹エンジンであり、AIを活用した個別最適化学習プログラムである「eフォレスタ」を公教育向けに再定義した上で、学校現場の...
産業構造の大きな変化の中で求められる横断的な体験を作り出すための”システムとしてデザインする”という新しいスキルについて定義し、これを習...
①群馬県高崎市、②福島県大熊町にて、地域の課題を学習者が発掘・設定し、1ヶ月、3ヶ月、あるいは数ヶ月連続的に同じ地域の方々と関わりながら...
多様な子供の集う公教育において、子供たち一人ひとりの資質・能⼒に適応する学習プログラムを提供していくことで子供たち全員が、各々の資質を...
●多世代交流型の様々な事業を通じて、(高齢世代を中心とする) 地域住民に多様な能力発揮の場・貢献機会を創り出すこと。● そのような様々な事...
Society5.0で実現されるべき「個別に最適化された学び」には、学校教育と民間教育の協力・連携が理想的であり、そのひとつの形を実証するため。