1,より高い学習生産性と学習意欲の向上成果の創出
2.昨年度までの実証成果を他校・他学年に展開すること(軽井沢高等学校と坂城高等学校の新1年生)
地方公立スタンダード校でのEdtechの導入
”2019年度未来の実証事業”のパートナーの”長野県坂城高等学校”は、長野県の上田市と長野市の中間に位置する高校で、当時、学校のICT環境は整備開始まもなく、ICTを利用した授業はほとんどない。近隣の学校においてもEdtechを利用した授業実例は極めて少なかった。そうした中で「学習生産性の向上」、「生徒の学習意欲の向上」、「教員の負荷軽減」の3点を主な目標として2019年9月より、実証事業はスタートした。
学習生産性でも、学習意欲でも成果
2019年9月からのわずか半年ばかりの期間であったが、該当単元を通常授業で進めたときと比較して40%程度早い学習進度や、既習範囲の学習前後のテストにおいて大幅にポイントを向上するといった学習効果における成果を始めとして、「生徒の学習意欲向上」や「教員の授業準備時間の削減」といった点で成果を示すことができた。また、参画頂いた教員にはEdtechを利用した授業が成立すること、そして、それが効果をもたらし得ることを実感いただけた。(参考:2019年度未来の教室実証事業)
2019年度の課題
一方で、実証事業の中で課題もみえてきた。
最大の課題は、「学習意欲」。高校において、「特定の科目が苦手」という生徒の多くは、単純に科目として苦手ということではない。多くは、中学までの学習において、その科目についての興味や関心を失している事が少なくない。興味がない科目の学習の生産性は当然あがりにくい。これまで(中学まで)以上に、科目への興味や関心をもたらすための工夫が必要となることを感じた。
「学習意欲の向上」と「対象範囲の拡大」を目指す
そこで、今年は以下の2つを主目的と据えて、実証事業を進めた。
ひとつは、先に上げた「学習意欲」を向上させる取り組みの強化。「すらら」を利用することで、より個別最適な学びが提供できるようになったことや、「すらら」に任せる事によって生まれた教員の余力を利用することで「意欲」に働きかける授業を展開する。
新たな「スタンダードな授業の風景」
教員が壇上ではなく、生徒の脇にいる風景は2019年度も当たり前となっていたが、今年度は、授業内で生徒同士がコミュニケーションを取りながら進める風景が、坂城高校、軽井沢高校ともに、良く見られた。
「はやく」「成果がでる」学び
今年度も、昨年度同様、早さや効果という面で成果を示すことができた。特に効果面においては、外部模試による測定で、より客観的な成果となった。2年目となる坂城高校に限らず、取り組み初年度である軽昨年度同様、学習生産性、早さや効果という面で成果を示すことができた。特に効果面においては、外部模試による測定で、より客観的な成果を示すことができた。2年目となる坂城高校に限らず、初年度である軽井沢高校においても、模試結果による成果を示せたことは、今後AIドリルの導入をすすめる他校にとっての意義が大きいと考える。井沢高校においても、模試結果による成果を示せたことは、今後AIドリルの導入をすすめる他校にとっての意義が大きいと考える。
リーディングスキルテストや外部模試における成果
また、国語については、外部模試に加えて、リーディングスキルテストにおいて、”係り受け”、”同義文判定”、”イメージ同定”の3つの項目でスコアの向上成果が見られた。
「学んでいくうちに科目への興味が強くなった」
意欲の側面では、”授業の進め方が自分にあっているか”や”授業内容がわかったか”といった質問に対して、今回展開したすべての授業においてポジティブな回答が多く、先生方が「すらら」を利用しながら、多様な生徒にあった授業が展開できたことの示す結果となった。また、学習意欲や興味・関心を問う質問についてもポジティブなものが多く、「学ぶにつれて教科への興味関心が深まった」といった回答が見受けられた
坂城高等学校2年:Chromebook80台、LTE環境
坂城高等学校1年:Surface
軽井沢高等学校1年:Chromebool80台、LTE環境
https://surala.jp/service/about/
https://surala.jp/school/
実証事例名 | 「AI教材すらら」の公立学校教育への導入と発展 |
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受託事業者名 | 株式会社すららネット |
実証パートナー名 | 長野県教育委員会、株式会社NTTドコモ |
実証年度 | |
事業カテゴリー種別 | |
実証地域 | 長野県埴科郡坂城、長野県軽井沢市 |
実証校 | 長野県坂城高等学校、長野県軽井沢高等学校 |
対象 | |
対象者 | 初中等 |
対象学年 | 高校1年生、高校2年生 |
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