学校・地域内に閉じていると、学びの機会が限定的になり、生徒一人ひとりの多様な学びのニーズに答えることは困難なため、「学校・地域を越えて協働する探究プログラム」と「協働できる仕組み」を構築する。
“小さな学校”がつながり、未来に開かれた”大きな学校”に
人口減少が進み、小規模校が増加していく中で、学校・地域内だけでは「生徒一人ひとりが多様な考えと出会い、意志をもって自由に探究・選択して学べる環境」が十分ではないと考える。そこで、学校・地域を越えて学校同士がつながり、強みを活かしあい、多様な価値と触れながら学べる環境づくりを目指す。
学校・地域を越えて協働する「探究プログラム」
全国から学校・地域を越えた生徒が探究プログラムに参加。オンラインでの対話や、地域に集まってのオフラインでの短期越境を行うことで、普段は接することがない多様な考えや人と出会う。生徒が個別最適な学びを実現するためのプログラムとして「①一人ひとりの興味・関心を見つけるプログラム」と「➁すでに関心があるテーマを新しい視点を得ることで深めるプログラム」の2つを実施。
「学校を越えた学び」を実現するための学校間連携の促進
学校を越えて学びたいと生徒が希望しても、「教育課程の調整」や「学校間の連携」の問題で難しいことが多いのが実情。そんな中で学校を越えた学びをさらに実現するために、「学校間連携の課題整理と普及」や「学校間で教育課程があわない場合の通信制高校での一部科目履修方法の構築」を行った。
参加生徒が興味や目的と出会える探究プログラムの構築
2つのプログラムを実施し、参加生徒の「実現したいこととの出会い」や「新たな気づき」を得ることができた。プログラム設計で「心理的な安全性」を丁寧に作ったことが土台となりながら、越境先での行動・出会い・対話・振り返りを行った。その結果、「①関係の質の向上(心理的安全性)」→「➁行動の質の向上(越境での挑戦)」→「➂学びの質の向上(気づきの増加)」というプロセスが生まれたと考えられる。
「本音を気兼ねなく発言できる雰囲気がある」事前→事後でプラス84%
探究プログラムのアンケートで以下変化が見られた。
【関係の質の向上】(実証①-1の例)
・「本音を気兼ねなく発言できる雰囲気がある」事前16%→事後100%
・「日頃悩んでいることを話せる」事前33%→事後100%
【行動の質の向上】(実証①-1の例)
・「気になるところを質問した」 中間16%→事後66%
・「自分の意見を伝えた」事前33%→事後66%
【学びの質の向上】(実証①-1の例)
(今後やりたいこと)
「地元にミカタカフェのようなコミュニティスペースを作る! 」「人と人の繋がりを支えることをしたい!」
通信制で一部科目を履修し、学外での学びを実現
学校を越えた学びを実施する際に、学校間での教育課程があわない場合でも、通信制高校で一部科目を履修するモデルが実現。生徒の目的を実現しながら卒業単位を取得できる個別最適な科目履修ができた。
・各自学校もしくは自宅などから、PC/スマホで参加。
・オンライン授業はZOOMを使用。
・連絡事項や意見交換は、LINEのオープンチャット上で実施。
ZOOM:https://zoom.us/
https://c-platform.or.jp/
実証事例名 | 地域・学校を越えた越境的・協働的な学びの実証 「みらいハイスクール」 |
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受託事業者名 | 一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム |
実証パートナー名 | 株式会社あしたの寺子屋、株式会社アットマーク・ラーニング、豊田省吾氏(島根県海士町/一般財団法人島前ふるさと魅力化財団)、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 |
実証年度 | |
事業カテゴリー種別 | |
実証地域 | (探究プログラムフィールドワーク地域)広島県大崎上島町、山形県遊佐町 |
実証校 | 探究プログラム参加者:北海道鵡川高校/岩手県大槌高校/新潟県津南中等学校/埼玉県立小川高校/石川県小松大谷高校/島根県大田高校/島根県隠岐高校/島根県吉賀高校/広島県大崎海星高校/長崎県松浦高校/沖縄県久米島高校/角川ドワンゴN高校 |
対象 | |
対象学年 | 高校1・2年生 |
・5ケ年計画で「知のナビゲーター」による探究学習を全国(+海外)で可能にする ・探究的な学びと教科学力の両立が可能であることを示す
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AIかつグローバル人材を育成するため、MaaSを題材とし、幅広い層が年間を通じて学べるSTEAM教育のプログラムを構築する
大学のリソースを活用した運動部活動の地域移行の実現可能性について、施設などの物理面、人、カネ、学校側の考え方など多面的に検証する。