本事業は、社会資源を教育に効果的・持続的に活用する仕組みやモデルが不足していること、及び学校間の越境的学びが内規や課程の壁により制限されていることが背景にあります。
「越境」と「協創」を通じて、未来社会に開かれた教育環境を目指しています。また、生徒が、地域を超えてロールモデルと出会い、社会との結びつきを強化するため、学校同士が協力し合う新たな枠組みを築くことを目指します。
「みらいハイスクール構想」“小さな学校”がつながり、未来社会に開かれた”大きな学校”へ
「みらいハイスクール構想」のもとで、三つの大きなステップを作りました。一つ目は、「人づくりバンク」の立ち上げに向けた準備です。高校生、卒業生、そして地域企業が互いに支え合い、共に成長できる環境を作り出すことを目指しています。二つ目は、オンライン探究プログラムの開発です。このプログラムを通して、生徒はどこにいても、多様な同世代や地域外で出会えるロールモデルと学ぶことができます。三つ目は、学校間での学びの壁を取り払う「越境ガイドライン」の作成です。学校で越境ガイドラインを活用することにより、越境への理解が深まり、生徒たちは自分の学校だけに留まらず、より広い世界で学ぶことが可能になります。
これらの取り組みによって、私たちは「越境」と「協創」を促し、「みらいハイスクール」の実現に向けて歩んでいます。
「人づくりバンク」
「人づくりバンク」構築のための準備を進めています。高校生、卒業生、地域企業を結び、社会資源を教育に活用するためのプロジェクトです。企業・社会人・大学生が高校生と関わり、互いにとって活用価値のあるバンクを目指しています。また、地域社会全体の人財開発も促進します。
「オンライン探究プログラム」
企業と連携したキャリア探究プログラムを開発し、「今の自分」と「未来のはたらく」のつながりの解像度があがるプログラムを実施しました。企業の知見やリソースを学びに活かしながら、企業側の価値を構築できる持続可能な連携モデルを作っています。企業と生徒双方に価値提供できるモデルを構築し、生徒は多様な背景を持つ職業人と出会うことができます。企業側のゲスト講師はキャリアに関する経験や考えを生徒に共有し、講師自身も教える過程で自己理解を深めることができます。
「越境ガイドライン」
学校間での越境学習をサポートする「越境ガイドライン」を作成しました。学校外での履修の拡大、通信制科目の柔軟なスクーリング、教員の越境・探究への理解促進を含んでいます。また、教員を対象とした短期越境プログラムを開発・実施し、実体験を持って越境への理解を深めました。
ニーズに合わせた「人づくりバンク」を目指して
ニーズ調査を実施する中で、高校生と卒業生の「進学指導」文脈での関わり、高校生と地元で働く社会人の「就職指導」文脈での関わりが大きなニーズであると分かりました。“島根の次世代への貢献”に関心があり、“開かれた高校教育”に関与したい意志のある人・企業から広く登録してもらえるバンクの要件整理や実装プログラムの開発を行っています。
参加生徒のアンケートから見えたプログラムの効果
他地域の同世代や、企業のゲストと探究的な学びを実施する本プログラムでは、アンケート結果から、働くことや自身のキャリアに関する意識と地域で働くことに対する理解度の高まりがみられました。具体的には、生徒たちは自身のキャリアについてより積極的に考え、働くことに対してポジティブなイメージを持ち、「楽しい」「自己実現できる」といった感覚や、自分の「好き」「得意」を生かして社会と繋がる感覚の獲得が見られています。また、現在住んでいる地域で働くことへの関心が増え、「やりたいことは地域で深められ、実現できる」という感覚も獲得しています。
教職員の越境研修のアンケートから見えたプログラムの効果
教職員の越境研修プログラム満足度は、10段階中9.71と高く、今回の目的であった「教職員自身の越境体験を通した変化実感」や「今後生徒に越境体験を勧めたいという意向」が高まる結果となりました。実際に先生越境に参加した先生がいる学校から短期越境や国内の単年留学への送り出しも生まれています。
・各自学校もしくは自宅などから、PC/スマホで参加。
・オンライン授業はZOOMを使用。
・連絡事項や意見交換は、slackを活用。
嶋本勇介(シマモトユウスケ)
080-6063-5326
Shimamoto-Yusuke@c-platform.or.jp
ー
https://c-platform.or.jp/
実証事例名 | 越境的・共創的な学びを実現するみらいハイスクール |
---|---|
受託事業者名 | 一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム |
実証パートナー名 | 島根県・TSKグループ・パーソルホールディングス・東武トップツアーズ株式会社・株式会社あしたの寺子屋・三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社・株式会社エブリプラン・NHK学園高等学校・阿曽沼 陽登・長谷川 勇紀・三矢 楓・工藤 春香・木村 有希・内村 未来・山本 竜也・位川 洋太 |
実証年度 | |
事業カテゴリー種別 | |
実証地域 | (短期越境のフィールドワーク地域)東京都・広島県大崎上島町・宮崎県えびの市 |
実証校 | (人づくりバンクでの実証校)島根県松江東高校 |
対象 | |
対象学年 | 高校生 |
教師のわくわくを中心にしたPBL型業務改善によって、「授業と学校組織の変革につながる」「教師の新しい専門性は向上する」という2テーマをまと...
18mの「動くガンダム」を起点としたSTEAMコンテンツ、アニメ発信のプロジェクトを題材にして、興味関心を促し、普段の生活の中にも学びがあると...
「Ocha-Solution Program」を活用し、企業人(技術者等)-学生-大学人(教授)が有機的に結びつき、学生が価値ある企業課題を解決することで「...
本事業ではNYアカデミーのメンター制度の仕組みを参考に、学生にとって新たな仕事機会、キャリア構築を目指すとともに、高校生以下の創造的な学...
プロスポーツクラブや民間企業など様々な主体が協力し、“学校施設”や"外部施設"を使って、スポーツクラブ=総合型放課後サービス業の創出を目指...
探究学習を推進する上での障壁となっている①教員間のノウハウの共有・蓄積、②外部のプレイヤーとの活発なコミュニケーションに着目し、ツールの...
EdTechサービス(Qubena)と学校現場(新渡戸文化学園)のオープンイノベーションにより、AIドリル「Qubena」の学習ログを用いて学校での観点別評価...